パキスタン編(99春) ダイジェスト版

 これは、旅行記ができるまでの暫定的なものです。
 とりあえず、どのようなルートで回ったのか、そこはどんな土地で、どういうおもしろいことに出くわしたのか(あるいは出くわしてしまったのか)を、ごく簡単にまとめました。
 ただし、今回に限ってはパキスタンという国にさほどの好印象を受けなかったため、「パキスタン編」はダイジェスト版のみにとどめるつもりです。ご了承下さい。


カラチ

 バンコクからの飛行機は空いていて、4人掛けの座席にごろりと横になって眠る。到着したのは夜中。なんとかユースホステルに転がり込む。一夜明けると、ほこりっぽくがさつな街は、今まで見てきたどんな土地よりも汚れて馴染みにくさを感じた。

ラールカーナー

 モヘンジョダロへ行くために近くのこの街までとりあえず出てきた。バスが対向のトラックとケンカをはじめ、中には拳大ほどの石を投げたり、拳銃を取り出す人まで出てくる始末。恐怖に包まれたまま、僕はじっとシートにうずくまるしかなかった。

モヘンジョダロ

 遺跡は「まあ、こんなものか」という程度。ぱりぱりに乾燥していて、塩を吹いている部分もあった。見学に来ているパキスタン人にやたらに話しかけられる。度を超えると、鬱陶しい以外の何物でもない。体調を崩したか、という予感もありここからカラチへ飛び、その足でイスラマバードまで飛ぶ。やれやれ、ここに至ってPIAに乗ることになるとは。

ラワールピンディー

 市場が広い。ヴァラナシの路地の迷路のような複雑さを持っている。
 多少心が浮き立つものの、やはり砂埃や排ガスは気を滅入らせる。

ギルギット

 カラコルムハイウェイに乗って、北部のこの街へ。周囲にはすでに雪山がちらほら。インダス川へ注ぐ流れが滔々と。
 フンザへの経由地点として寄っただけだが、バスまでの一日は退屈気味であった。

フンザ

 かの、「風の谷のナウシカ」のモデルとなったという話しを聞いたことがある。今回の主目的地。
 なるほど僕が訪れたのは完璧なオフシーズンではあったが、その美しさの一端はそれなりに伺うことができた。葉を落としたポプラが緑に萌え、花が咲き乱れる春はさぞや。
 標高2500メートルのこの土地は、もちろん寒い。ずっとダウンジャケットを着込む。周囲には7000メートル級の雪山が立ち並ぶ。夜は、月光が雪に反射し不思議なほどに明るく静謐であった。
 パキスタンは基本的に飲酒が許可されていないが、ここは文化的にも独特で、今でも飲めるとのこと。桑の実を浸けたという酒を入手して、山のガイドをやっているパキスタン人たちとこっそりと宴会。しかし、一気に悪酔い。翌朝になっても吐いていた。
 それでも翌日は、氷河や氷湖へジープをしたてて遠足へ。
 僕がこうしている間にも、オーストリアでは巨大な雪崩が発生し、インドネシアのアンボンでは人々が逃げ惑っていた。なぜか宿の食堂のテレビはCNNを流していた。

ラホール

 深夜のカラコルムハイウェイは目をつぶるしかない。見ていると恐怖心がわき起こってくるからだ。スピードを緩めることなくぐんぐん下るバス。片側は岩だらけの山肌が迫り、もう一方は断崖。ガードレールなんてあるわけもなく、200メートルほど下には川が月光に鈍く反射している。だが、この光景には自分が原始地球か未知なる惑星にいるような錯覚を覚えた。
 ここに至ってマクドナルドの看板を見つけて思わず「ひゃっほう」と口に出た。しかも写真まで撮ってしまった。入り口のベンチにはドナルドの人形が座る横で、銃を携帯した警備員が立つ。ピザハットは店員が注文をとりに来て、しかも食べている最中に「お味はいかがでしょうか」ときたものだ。
 博物館は見応えあり。
 役所に出向いて飲酒許可証を申請。なかなか一筋縄ではいかない煩雑な事務手続き。半日かかってようやくビールを購入するものの、冷えているわけもなくとりあえずダウンジャケットに丁寧にくるんでバックパックに詰め込む。
 日程を変更し、早めにバンコクへ飛ぶことにする。数日前からリクエストしていたが、当日の朝になってようやくOKが出る。うれしかった。

タオ島

 まずはアドバンスコースのライセンスを取得する。そのあとは、ひたすらファンダイブ。日に4本ほどのペースで潜る。ギンガメアジの群に囲まれ、圧巻。海の中はその美しさもさることながら、無重力の感覚もまた快感である。


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