アクタができた
阪急西宮北口駅の北側すぐにオープンしたアクタ西宮の様子をニュースが伝えていた。東西二つのビルの5階までがショッピングゾーンで、その上20階くらいまでが住宅というそれなりに大きな施設である。いわゆる「復興事業」とのこと。一つの区切りではあるが、テナントは全て埋まっているわけでもなく、震災前にその土地にいた人が全員入れたかというとそうでもないと、依然厳しい側面もあわせて報道された。
金曜夜のバーで、マスターと「アクタ、できましたね」「せやけど、そんな人来るんかな」なんてことをカウンター越しにしゃべっていた翌日。駅前のクリーニング屋に出かけたら、溢れる自動車に驚いた。
夕方、さっそく僕も探索。やはり目玉となっているジュンク堂書店やフロア丸ごとの無印良品はもう無条件に嬉しい。
阪神間で真っ当な本屋は梅田か神戸かにしかなかったのだが、ここにいたって生活圏に入ってきた。アバンザ堂島と規模的には同じくらいに見受けられ、つまりくらくらするくらいに広いし、梅田の紀伊国屋のいつ行っても満員電車状態はとは違いゆったりできている。もちろん、座って立ち読みをするための椅子も、購入前の本を持ち込めるカフェも備わっている。
無印もこれまでは少々気合いを入れて梅田のロフトまで出かけていたのだが、ものすごく気楽にシンプルな衣食住が手に入るようになった。規模的にはこちらの方がずっと大きい。これがまあ西館のメイン。
二階部分の渡り廊下ではさっそく若者がギターを持ち込んで誰かに向かって歌を歌っていた。
東館。もうこれはコープにとどめを刺す。二号線沿い、JR西ノ宮駅前まで自転車をこいで10分弱毎週末に通っていたのだが、目の前により大規模なものができた。生鮮食品とアルコール類は別フロアだからこれは不便。でも、だがしかし、ビールがちょっと豊富。バスペールエール、レーベンブロイ、青島、オリオン、各種のシメイなんてところが冷蔵ケースに並んでいる。ちょっと意外。日常のレヴェルでは中の上ってところ。
その上には赤ちゃん用品が安いと評判のアカチャンホンポが入っているが、これは残念ながら今のところ僕には無縁。
西北(阪急沿線の人間は西宮北口をニシキタと略す)の北側は大盛り上がり。もちろん陽もあれば陰もあるわけで。南側にある、その昔は阪急ブレーブスのホームグラウンドであった西宮スタジアムなんて寂れっぱなし。人で溢れきらきら照明の輝くアクタから眺めやると、誰もいない客席の上段に設置された酒造会社と証券会社の広告塔が、闇の中にただ黙々と明滅を繰り返していた。誰に見られるわけでもなく、かつての熱気に包まれるわけでもなく。南口すぐにあったビルや仮設の店舗はすでに9割方が取り壊されている。先のマスターの話しだと、線路をくぐって北側に続く広い道路になるのだそうだ。
街の様相が変化していく。けれど、ここに暮らす僕にとっては、やはり総合すると土地のポテンシャルとも言うべきものは上昇しているように感じられる。
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