こんな所にもスターバックス

 ちょっと珍しいスターバックスへ行った。その物が珍しいわけではなく、お店の場所がちょっと意外な所。バムルンラード病院の一角にある。コーヒーを飲むためにわざわざ出向いたわけではなく、病院本来の目的を求めて出かけたついでだ。
 症状は単なる左目にできた目ばちこ(物もらい)。ここ1週間ほど、微かな腫れと痛みが続いていたのだが、今朝起きるとぷっくりと。目の下をぺろりとめくってみると、見事に白く膿んでいる。まばたきをすると疼く。
 日本にいるならば放っておく程度のことなのだが、「せっかく安くはない保険を掛けているのだし」というのが大きな動機の一つめ。もう一つは、あちこちで耳にする話しを総合して得られる「この国では、ちょっとのことも甘く見ない方がよい」という怖さから。特に衛生状態が悪いというわけではないが、決して日本ほどよいわけでもない。短期の旅行ならともかくも、快適な暮らしを求める以上は注意しておくに越したことはない。
 しかし、この病院、病院と知らずに来たら、きっと誰しもがホテルだと思うに違いない。しかもどちらかと言うと、等級の高い方の。
 車寄せには制服を着た係が立ち、入り口には各国旗が飾られている。一歩踏み入れると、まさしくホテルの様相。正面にフロントがあって総合案内をしてくれるし、ロビーは広々としている。スターバックスやマクドナルドなどのファーストフード、さらには日本食レストランまで見かけた。各所にはインターネットコーナーも設置されている。
 日本人向けの受付カウンターがあり、保険の証書とパスポートを提示して、必要事項を書類に書き込むだけ。医者の診察の前には「英語を話しますか」と訊かれたので「はい」と。「タイ語に挑戦すべし」と思わないではなかったのだが、やはりこういうことになると、食事を頼んだり切符を買ったりするのとはわけが違う。いや、臆病なだけなのだけど。
 診察自体はものの5分ほどでおしまい。処方された薬も予想通り抗生物質だった。「深刻な症状ではないですよね?」という質問にも軽く肯定の返事をいただいて一安心。
 タイミングがいいのか悪いのか分からないのだが、今朝方、左目のコンタクトをなくしてしまった。今日が王妃誕生日で休日だったので、昨日から一泊二日で出かけた先のチャアムのゲストハウスで。
 一人静かに海を見るつもりだったのだが、タイ人にとっても貴重な三連休であるわけで、海辺はもうお盆休みの須磨の海岸並みの混雑。しかもゲストハウスも特別料金で、普段の倍近くに跳ね上がっていた。昨日の夕方に着いて、今日の午前中には早々に引き上げた。げんなりするためだけに行ってしまったようなものである。
 そこへ持ってきてこの症状。なんだか、うまく行かない時にはとことん行かないものである。とりあえず、熱いカフェラテを頼んで気を奮い立たせてみる。


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