P.S. 1
P.S. 2
P.S. 3
P.S. 4
情報共有のなさは笑ってしまうほどで、三日目の夕方、新たな一人、看護師だかインターンだか医者だか分からないが「どうですか?」とやって来た。
「熱は引きましたが、喉の痛みはまだ残っています」
「なるほど。では、そもそも、熱と喉の痛みの症状があったのですね」、ときたものだ。
コミュニケーションが「藪の中」のように感じられることが、ままある。
日本やバンコクの病院に慣れた僕からすると、患者への説明が極端に不足しているように見える。検査数値を知ったからと言って自分でどうこうできるわけでもないが、その意味の説明によって自身が納得することで、それなりにほっとするものがあるのだが。
検温すら、その結果を患者に伝えるような流れになっていない。一度、どんなもんだろうと思って看護師が脇の下から抜き取る前に、体温計のデジタル数値を覗いてみたら、95.5とあった。カ氏表示なので、見ても分からなかった。
注射のために入院中ずっと右手甲に突き刺さっていた針とチューブには、普段は血液の逆流を防ぐために途中に栓をする小さな部品がついている。何度か、その栓を外さないまま注射を試みられた。どれだけピストン部を押しても液体が注入されるわけがない。基本的な動作がマニュアルとして徹底されていないのか。
さらには、一度、注射中に、そのジョイント部分が外れ、薬液が見事に辺りに飛び散ることがあった。この状況はもはや、おもしろ過ぎて、濡れたズボンを履いた姿のまま、ベッドの上から静かに微笑むしか術がなかった。
担当者は動じるでもなく、「壊れてるのね。交換します」と言って、一度栓をしたまま、そして結局何の対処もなされなかった。
結果的にそのままの器具で、別の人が半日後に注射した際には、何ら問題はなかった。
食事だが、最初の時点でベジかノン・ベジか、そしてタマネギは食べるかという問いがなされていた。前者は菜食の人も多いインドなのでうなずけるが、後者はどういう理由によるのだろう。肉類はマトンはなく全て鶏だったが、当地では皮を食べないらしく、全てから取り除かれていた。鶏皮好きとしては残念である。