鶏挽き肉とバジルの炒め物
お昼ご飯をどうしようか迷ったら、鶏肉とホーリーバジルを炒めたパット・ガプラオ・ガイ。毎日のように食べても、決して飽きのこない一品。そういえば、昨日もこれだった。
カンカンに熱した中華鍋に油をひいて、鶏の挽き肉をジャッと投入。ほぐすようにかき混ぜ、たたいてつぶしたトウガラシと揚げニンニクを加える。焼きトウガラシ、ニンニク、干しエビなどを油で練ったペースト状の調味料と、オイスターソース、ナンプラー、砂糖、鶏がらスープを加える。
仕上げに、ホーリーバジルの葉を入れ、さっと混ぜ合わせて火を止める。ご飯といっしょに盛って、はいどうぞ。お好みで、トウガラシを漬けたナンプラーをふりかける。
……だが、これで完璧ではない。注文の際、忘れてはならない一言がある。
「目玉焼き乗っけといて!」
タイの目玉焼きは、たっぷりの油で、揚げるように作る。白身の外側は狐色にチリチリ、黄身は今にもこぼれんばかりに半熟のとろとろ。
皿には、赤いトウガラシと濃い緑のバジルの葉が見え隠れ。炊きたてのご飯が汁を吸い、その上には目玉焼きがつややかにぷるんと鎮座。
黄身を突き破り、ご飯と具とにしっかりまぶして頬張る。熱々の鶏肉からあふれる肉汁が、トウガラシの刺激が、バジルの香りとほのかな苦みが、卵の黄身の濃厚でまろやかな味に包み込まれ、見事に調和を果たす。
無我夢中で口に運び、時折思い出したように、はふーっと息を継ぐ。気付けばあっと言う間にお皿は空っぽ。
よし、明日もこれにしよう。
神戸新聞/2005年7月22日掲載
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